湿度を計測するときに用いられる湿度計にはさまざまな種類があります。理科室や実験室に置かれていた乾湿球湿式、毛髪やナイロンの糸を使用した伸縮式、バイメタルを用いた機械式、半導体センサーを用いた電気式などです。センサーを用いた電気式湿度計は、現在最も普及しており、機械に組み入れるのが簡単なことから、多くの設備で使用されるようになっています。電気式湿度計には、静電容量型と抵抗型の2種類があります。
ともに感湿体として、多孔質のセラミックスあるいは吸湿性の高分子膜が使われています。静電容量型は、感湿体を挟む2つの電極に交流電圧を加え、感湿体の水分吸収に伴う誘電率の変化が引き起こす静電容量の変化から湿度を測定します。抵抗型は、感湿体の水分吸収に伴う導電性の変化を利用して測定を行います。このように、電気式湿度計は湿度を感知する方式の違いによって2つに分けられますが、それぞれに特徴やメリットが存在します。
静電容量型は、応答速度が比較的速く、高い湿度でも使用できます。また、低湿度測定に優れ、蒸留水で洗うことも可能です。抵抗型は、シンプルな構造で大量生産が可能なことから価格が安価で経済性に優れ、湿度にも強いことから長期間使用できます。電気式湿度計は、いわゆる湿度センサーとして広く普及しており、身近な所ではエアコンなどの空調設備やデジタル時計などに組み込まれ、日常生活に欠かせない機器としてさまざまな場所で利用されています。