最近ではインターネットが広く普及し、様々な物がインターネット回線によって通信を行うようになっています。インターネットを経由して物同士が通信することが「InternetofThings」であり、それぞれの単語の頭文字を取ってIoTと呼ばれます。IoTの技術が普及すれば、湿度計などのセンサーが物を取り巻く環境の変化を察知して問題を知らせてくれるなど情報の活用がさらに促進されることになります。インターネットを活用した新しい技術であるIoTに不可欠とされるセンシング技術の1つに湿度計センサーがあります。
湿気は機械の動作だけでなく食品や半導体などの保存条件にも影響を及ぼすので、様々な業界において精密な計測や管理が必要とされています。空気中に含まれている水蒸気の量を比率で表したものが湿度であり、空気中で含むことが可能な最大の水蒸気量が飽和水蒸気量です。湿度には相対湿度と絶対湿度の2種類があり、前者は水蒸気量とその時点における飽和水蒸気量の比率を百分率で表します。飽和水蒸気量は温度によって変化しますが、相対湿度は温度と相対的な関係にある湿度の特性を加味しています。
絶対湿度は1立法メートルあたりに含まれる水蒸気量のことで容積絶対湿度とも呼ばれており、飽和水蒸気量を加味しません。電子式の湿度計センサーには抵抗式と容量式の2種類があり、いずれも感湿材料を電極で挟んだ構造になっています。抵抗式は感湿材料に吸湿・脱湿される水分を電気抵抗として捉えますが、容量式は静電容量として捉えるという違いが存在します。湿度計センサーだけでなく温度計センサーを併用すれば、絶対湿度に加えて相対湿度も計測できるようになります。